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  1. すべてのママが笑顔でいられる社会を目指して

すべてのママが笑顔でいられる社会を目指して

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2018年5月31日    LOBBY 大正

前回の子育て特集では、昨年好評だったママ座談会に続き、池田市在住・在勤のパパたちに集まっていただき「実際に池田市は子育てしやすい街なのか?」を探るテーマで座談会を開きました。緑豊かで落ち着き成熟したこの街で、子育て真っ盛りのパパたちの本音トークが飛び出しました。コンパクトシティだからこそ人の繋がりを大切に子育てできると、やはり評価は上々。この環境でのびのび育ってほしいパパたちの本音と、実体験からもっともっと改善したいママたちの本音から少しばかり目線の違う意見もチラホラ。小さなお子様をお持ちのママがかかえる、不安や問題を解消するには一体何が必要なのか?すこし俯瞰の目線でみてみるとどうなるのでしょう。
そこで今回は「もっとママが輝く池田へ」をテーマに、長く池田市を拠点に不登校児などのための公設民営フリースクールを運営し、働くママとして活動している白井智子さんが、少子化ジャーナリストとして女性の働き方やライフ・ワーク・バランスについて深い造詣をお持ちの白河桃子氏に、子育て世代がかかえる問題や行政の取り組みと課題についてお話を伺いました。

関西の風土って女性が活躍できるところ?

すべてのママが笑顔でいられる社会を目指して

[白井]
桃子さんは山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」ブームの生みの親でいらっしゃいますよね。

[白河]
「婚活」に最初に反応したのは関西の女性たちでしたね。「婚活せなっ」って。(笑)ただ、割り切りからなのか、お金のある男性は浮気くらい仕方がないという風潮もあるんです。それでいて経済が良くわかっていて、夫の稼ぎ次第で「じゃ、私が働くわ」ってすぐに切り替わる。逞しいですよね、大阪のママたちは。

[白井]
おっしゃる通りですね。(笑)東京と大阪との違いってなんだと感じられていますか?

[白河]
やはり保守的なところじゃないですか。2020年までに責任ある地位の女性を30%に、いわゆる「2020年30%」に向けて企業の女性管理職を増やしましょうと政府が掲げても、企業側は人材不足を補うという意味での活用になっていることが多いですよね。それに加えて子どもがまだ小さいのに働きに出るなんて、、という風土が関西にはあるような気がします。成功している女性経営者でさえも、結婚して子どもを産んで、その子が成長してようやく好きなことが出来る、言いたいことが言える。そんな空気があるとおっしゃる方が多いです。やるべきことをやったから強いというか。たとえば結婚して共働き県の福井県から関西に移ってきた女性がいたんですけど、そんな風土にプレッシャーを感じたと話していましたね。

[白井]
言われてみればそうだなと思います。これで謎がとけました。関西で女性の経営者に出会うことが少ない理由が。

[白河]
横浜市では、一度も働いた経験のない50代の娘を連れた母親が生活保護の說明を求めて市役所に相談に来るなんて事が相当あったそうです。女性は結婚して旦那さんに養ってもらうもの、という考え方が横浜にも関西にもまだまだ残っているんですね。

家事・育児という無償労働の経済的価値を見える化してみると

すべてのママが笑顔でいられる社会を目指して

[白井]
長く教育相談を受けてきましたが、子育てはママの担当っていう感じでママが孤立してしまっていて、パパの姿が見えないケースってやっぱり多いんです。夫婦揃ってお見えになる方は解決が早いんですね。

[白河]
それはありますね。第一子をもうけた時に、いかに夫が家事・育児に参加したか、その時間が少し増えただけでも第二子をもうける数字が跳ね上がるんですよ。日本では子育てというと「母子」という考え方が根強いですが、女性が働けるかどうかはいかに夫の育児参加、いわば無償労働への参加があるかにかかってきます。問題のすべてを母子や地域という中で解決するには限界があって、父親が働いてさえいればいい時代ではないんですね。だから流行語大賞に「ワンオペ育児(注:ワンオペレーションの略。何らかの理由によって仕事・家事・育児の全てを一人でこなさなければいけない状態のこと)」が入ってきた訳ですね。

[白井]
そこが結局、夫婦関係の問題にも繋がりますね。子育てっていう最大の関心事で共通の意識を持てることがそのまま相手に対する関心や優しさにつながりますから。社会的に活躍されている方でも惰性的な夫婦仲が続いていたり離婚を考えていたりと、夫婦関係が上手く行ってないケースもよく聞きます。これってもはや結婚制度を含めた社会課題かなとも思うのですが、こういった変化の時に求められるものって何なのでしょうか。

[白河]
やはり女性がもっと経済力をもつことが重要だと思います。でも、活躍だけ言うのじゃなくて、経済力がもてない女性に対しては、行政が手厚く支援する政策が必要なんじゃないかと思います。第一子を出産した後に継続して働くママが52%いるんですね。まぁそれ以前に正職員でない人も多いのですが。日本の場合、長く働かないとお給料が上がらない仕組みもありますし、女性のキャリアを継続することが難しいんですね。もちろん経済力も大切だけれど、無償労働を軽視してきたっていう事もありますよね。

[白井]
桃子さんが常々おっしゃられていることですが、主婦の無償労働をお金に換算すると月間19万4千円になって、これは年間304万円にもなるんですよね。

[白河]
それはドラマ『逃げ恥』に出てきた数字なんですね。こういった無償労働を実際の経済で試算してみることで見えてきたのは、夫の年収が600万未満の場合、妻がワンオペ育児の専業主婦では対価が支払われておらず、その労働は搾取されてしまっているんです。もし全く家事や育児を夫がやらないとしたなら、年収1400万以上ではじめてペイできるという試算で、男性にとっては不都合な数字が出てしまいました。わたしはこれまでも外で働かないと将来のリスクは高いと女性たちに言い続けてきましたけれど、何より、主婦の方たちにも自尊感情を持ってほしいなとと思っています。「あなたたちがやっていることは、経済的価値でみるとこんなに凄いんですよ」と認めてもらって、そこからふたりでいるからこそ生まれるスケールメリットに目を向けて高めてゆくことも重要ではないかと。

子育ては、週60時間労働。残業時間は月80時間で過労死レベルなんですよ。ワンオペ育児では、24時間労働だってありえます。価値を見える化して、払えない夫には無償労働を分担してもらい、その時間で外に出て有償労働をするということもできます。特に子育て時期は、ふたりで有償、無償の労働をどうシェアしていくかが大切。でも、足りない部分を補うために政府や自治体が機能することも必要ですね。

新しいカタチの男女協働

[白井]
男女の協働のあり方が時代とともに変わりつつあると感じています。大切なことってどんなことでしょうか。

[白河]
やっぱり大事なのはライフ・ワーク・バランスを守ることだと思います。社会的には税制が変わるところがターニングポイントになります。たとえば70年代のスウェーデン。産業化して男性が肉体労働で稼げた仕事がどんどん無くなり、福祉や教育などのサポート分野で女性の社会進出が進んだんです。けれどもその先に、子育てや家事などを誰がやるの?というところで、しっかりシェアしていかないと少子化は止まらないですね。男性の家庭参画の割合が上がってきて、ようやく少子化は止まると思います。あとは、インフラの整備も重要ですね。スウェーデンでは70年代に、税制も世帯課税から個人課税へと仕組みを大きく変えていったんです。

またフランスでは、結婚の自由度も高く、半数のカップルがブレイクするけどまた別のパートナーとカップルになる率も高い。男性にとっては可哀想ですが、シングルマザーで仕事がなくなっても、「子育ては政府が保証します。」と常にメッセージを出しているので女性は安心して子どもを産めるので、少子化にはならないんです。そして次の取り組みも始めていて、10年くらい前から「パパの産休」と呼ばれるパパになる仕組みを取り入れています。パパは産んだだけでは自然にパパにならないので、国から11日間、企業から3日間。合わせて2週間の休暇をとって病院などで赤ちゃんの世話について学んでから夫婦で育児をスタートさせるんです。これは7割のパパが取っています。パパになる機会を与える制度って、本当に凄いなと思います。

[白井]
ママには子どもがお腹の中にいる10ヶ月という準備期間がありますが、パパが突然父性を持つことって難しいんだろうなあと夫を見ていて思います。男性たちは、育児を手伝いながら徐々にパパになっていくのかなと。そういったパパに向けた施策を政府や行政が進めてくれるっていうのは本当に心強いですね。

ママへの子育て支援からパパママ共働き世帯への支援へ

すべてのママが笑顔でいられる社会を目指して

[白井]
より良い子育て環境を作っていくために、行政や企業だからできることって何でしょうか。

[白河]
行政が補う部分としてはママを孤独にさせないことですね。もちろん働き方改革も必要ですが、ワンオペ稼ぎとワンオペ育児の夫婦の場合、子育てが孤立しがちなのでどうパパたちが子育てに参加できるのかという取り組みが大事だと感じています。

[白井]
大阪近郊のニュータウンの池田市は政策的にはリベラルな発想があって、すでに15年前に日本で初めての公設民営フリースクールをつくったり、高齢化が進む地域に小中一貫校をもうけて子どもからお年寄りまで、すべての人に居場所がある街づくりをしたりと市長自ら推し進めてきたんですね。

[白河]
それは素晴らしい。みんなの居場所があるって。

[白井]
池田市とダイハツさんによって、3人目の赤ちゃんが産まれたご家族には乗用車が3年間無償貸与されるという「エンゼル車提供制度」など、独自の取り組みを市民は高く評価していますね。

[白河]
すごい!そこからさらに経済活動が盛んになる形に発展すれば、街全体の活性化にも繋がっていきますよね。行政だけでなく全国の企業も様々な取り組みをしています。たとえば、岐阜県に本社を持つ運輸会社では、スーパーやコンビニなどの小口の配送を、女性を中心とした配送スタッフが行っているんです。人材確保の難しい地方都市ではありますが、3時間という短い時間から働けるようにして、ママたちが隙間時間を活用してお金を生み出しているんです。
広島の食料品メーカーでは、絶えずアンケートでスタッフの意見を聞くという努力をしていて、子どもの成長とともにどんな働き方がしたいですかと毎年丁寧に希望をとって、人材発掘と定着に繋げています。

[白井]
そうやって企業や地域独自のやり方が生まれてくると良いですね。伏尾台地域では、「子育てのまち伏尾台」ってスローガンの横断幕を玄関口となっている橋に設置してまちの性格を分かりやすくしていこうっていうようなことを町ぐるみでやっています。

[白河]
それは素敵ですね。その次の段階として、共働き支援の街とかが生まれてくるともっと良いなと思います。子育てというとどうしても女性に軸が寄り過ぎちゃうんですけど、これからは男性に対しての施策もすごく大事だと感じますし、まさにそこが働き方改革かなと思いますね。

― 比較的ゆとりのある世代の高齢化と、少子化が同時進行する人口減少問題は、国や地方自治の喫緊の課題とされていますが、今回のお話から、掘り起こせばまだまだ池田市には具体的な解決策のヒントがまだまだ詰まっているように感じることができました。貴重な機会をありがとうございます。

【関連記事】池田のパパが大集合!パパたちの子育て座談会
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コメント

  • 吉川 譲二さん

    2018年7月2日 8:34 am

    はじめまして!
    簡単に自己紹介さして頂きます。
    私は、児童発達支援、放課後デイサービス(豊中、吹田、江坂)と虐待関係(NPO)の
    仕事のダブルワークしています。
    後、ボランティアでこども食堂、こどもの家等関わっています。
    元々は福祉関係ではない仕事を長年やっていましたが、
    3年前から発達障害支援の仕事に携わり、福祉の世界を知りました。
    虐待関係の仕事のきっかけは
    目黒の船戸結愛ちゃんの事件なんです。
    NPOの仕事は、はじめてまだ
    間もないですが、
    その中で、池田市に住む
    シングルマザー、こども二人で、話しを聞くと、
    母親のSOS!!
    「もう、いっぱいいっぱい!」
    親身になって相談する身内、
    友達がいない…
    私もこどもの時、
    母が親身になって相談できる人がいれば…
    道連れ自殺…防げていたかも…と、未だに悔んでいます…
    池田のシンママのSOS!
    何か良い支援、関わり…等
    アドバイス戴けましたら
    よろしくお願い致します。

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