小学校ライフインタビュー 池田の小学校ライフ
2017年4月3日
入学・進学の季節。特にこの4月に小学校に入学するピカピカの1年生たち、その保護者の皆さんにとっては、ワクワクと不安が入り混じる毎日なのではないでしょうか。そんな小学校ライフを間近に控えたパパママに向けて、池田市立池田小学校 岡村修治校長先生と、池田市教育委員会 保健給食課 塩山宏司課長と池田市立学校給食センター 山口泰生所長に、お話を伺ってきました。
お話ししてくれた方:池田市立池田小学校 岡村修治校長先生
聞き手:スマイルファクトリー校長 白井智子
池田の教育の特色
[白井]
まずは岡村校長先生のご略歴と言いますか、先生になられてからどういったような道のりを歩んでこられたのかを教えてください。
[岡村]
道のりなんて、そんなたいしたことではないんですが。そうですね、大阪教育大学を卒業して、堺市で新任時代の4年間を過ごして、結婚を機に池田市に来ました。それから34年間ずっと池田ですね。
[白井]
長く池田の教育をご覧になってきた先生から見た池田の教育の特色、こういうところが他とは違うよというのはどんなところですか。
[岡村]
そうですね。基本的な部分はどこも同じだと思うんですが、堺から変わってきた時に一番に感じたのは、低学年の児童たちに関して物凄く丁寧に指導されているなということでした。低学年から細かな指導なので高学年でもそれを引き継いでいける。そう言った手厚さみたいなものが池田にはありますよね。
[白井]
さすが「教育のまち池田」ですね。低学年、高学年というのもそうですが、池田では小中での一貫した教育というものを大切にしていますよね。昨今、小1プロブレムや中1ギャップといった問題が取り上げられるようになってきましたが、それらに対する取組みについてはいかがでしょうか。
[岡村]
そうですね。池田でまず最初に持ち上がったのは小学校へ上がる子どもたちのことでした。その次に小中一貫教育を進めていこう、小学校と中学校の間でちゃんと連携を取ってやっていこうとなりました。小学校の先生と中学校の先生が全く違う意識では子どもたちが困惑しまいますから、お互いに学校の見学をし合ったりしながら指導方法などを共有したりしています。
[白井]
その時にどんな発見があったのでしょうか。
[岡村]
中学生になると発達段階として自主的に動いていく力が育ってくるので、一人ひとりの自主性を大切にしている部分がありますよね。そういう方向に向かえるように。例えば5年生や6年生になったらチャイムが鳴れば自主的に教室に向かうように促さなきゃいけないなとかですね。課題点や改善点が見えてきました。また、反対に小学校では言葉だけではなく先生がまず見せて、一緒に動きながら学んでいくということをします。特に低学年のうちはそれこそ「手取り足取り」ということもありますので、子どもたちはそういう環境で学んできたんだということを知ってもらって、授業や指導の際に意識してもらえるようお願いしたりしています。
それぞれの特色を活かした魅力ある学校づくり
[白井]
素晴らしいですね。小中一貫と言えば、2年前に開校した施設一体型小中一体校「ほそごう学園」では、2017年の4月から特認校制が導入されてどの校区からも通えるようになりますが、どのように感じていらっしゃいますか。
[岡村]
一人ひとりが自分に合った学校を選択できるということはとても良いと思っています。各学校は魅力ある学校づくりということをこれまで以上に意識してやっていかなければいけませんね。やはり地域ごとに歴史も文化もありますから、それぞれの特色を活かして子どもたちがすくすくと成長していける環境を作っていくことが大事だと思います。
子どもたちの話を聞いてあげてください
[白井]
この春から新1年生になるお子さんのいるお母さん、お父さんの中には不安な気持ちを抱えられてる方もいらっしゃると思います。そんな保護者の皆さんにどんなことを伝えてあげたら良いのでしょうか。
[岡村]
伝えたいと言いますか、お願いしたいことがあるんです。お家に帰ってきたら、子どもの話を聞いてあげてください。入学した当初は元気そうに見えても、たぶん内面は緊張でいっぱいです。「友達とケンカした」「授業がわからない」本当にいろいろあると思います。それらを、良いとか悪いとかではなく、「そうだったの」と、共感して同調してあげるだけで子どもたちは安心します。1年生になってしっかりしてほしいなとかちょっと距離を置いたりもされると思うのですが、必要であればギュッと抱きしめてあげることも大切だと思います。
[白井]
話を聞いてあげること、本当に大切ですよね。うちの息子は小学校1年生になりたての頃、緊張からか給食のたびに気持ち悪くなっていました。
[岡村]
本当にそうなんです。どれだけ元気そうに見えていても、緊張や不安の裏返しでハイになっているだけということもあります。そうすると、どこかでプツンと切れたりするんですね。そうなると落ち込みの差が大きいので、そうなる前に気づいてあげて、そして話を聞いてあげることがとても大切だと思います。先生も一緒になって考えますので、何か気になることがあればいつでもご相談ください。
[白井]
池田市は、小学校と中学校、先生と保護者、それぞれに連携が取れる風通しの良い環境を心がけていらっしゃる。私たちも、地域の方々に助けていただきながら子どもたちにとってより良い学校づくりをしていきたいと思います。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
お話ししてくれた方:
池田市教育委員会 保健給食課 塩山宏司課長
池田市立学校給食センター 山田泰生所長
聞き手:スマイルファクトリーハイスクール教務主任(家庭科担当) 杉村千聖
当たり前のことを当たり前にちゃんとやることが大事
[杉村]
よろしくお願いします。今日は、子どもたちの成長にとって大切な「食」についてお聞きしたいと思っています。さっそくですが、池田市内の小学校での学校給食では毎日だいたい何食くらいを何人の方で作っていらっしゃるのでしょうか。
[塩山]
5500〜5700食くらいですかね。
[山田]
調理にあたっているのは、アルバイトが27人、職員を入れて35名です。
[杉村]
すごい!私たちも10月から子ども食堂というのを始めさせていただいていて、大体80食くらいを2〜3人で作るんですけれど、それだけでももういっぱいいっぱいになっちゃっています。
[山田]
役割分担をしながら、子どもたちにおいしいご飯を食べてもらえるようにみんなで頑張っています。
[杉村]
給食では特に「安く、安全に」というのが大事になるかと思うのですが、安全面、衛生面ではどんなことに気を付けていますか。
[山田]
そうですね、下処理の作業の区域と調理の作業の区域という区別をさせてもらっています。そこを行き来するときには必ず靴を履き替えて手を消毒してからエアシャワーを受けて調理場に入っていただくんですね。それから、毎朝の朝礼時には手や爪に怪我や汚れがないかをチェックして、服装についても埃とか毛がついていないかどうかを確認した上で作業に入っていますね。あとは毎月2回の検便で大腸菌についてのチェックもしています。
[塩山]
学校給食の衛生管理基準というのがありますので、基本的にはそれに基づいてやっているということになります。当たり前のことを当たり前に毎日やる、というのが大事だと思っています。
「食」を通して子どもたちに学びを
[杉村]
安全面に加えてコスト面での工夫などもお聞きかせください。
[塩山]
そうですね、学校給食では運営費や設備費などは教育委員会で、食材費は保護者様にご負担いただくことになっているんです。一食あたり220円で、栄養士を中心に献立を作っています。近頃は野菜の高騰などもあって難しいところもあるんですが、おいしくて栄養バランスの良い給食を子どもたちに食べてもらえるよう、色々と考えてやっています。
[杉村]
メニューのリクエストはできるのでしょうか。
[塩山]
リクエスト献立というものをやっています。毎年6年生向けに「好きな献立アンケート」というものをして、上位のメニューを3月に集中して出すという、まぁ卒業祝いみたいな感じでやっていますね。
[山田]
今年はナンが人気で。あとはクレープなんかも上位に入っていましたね。
[杉村]
デザートもあるんですね。羨ましいなぁ。
[山田]
毎回あるわけじゃないですよ。(笑)
[杉村]
人気なメニューがあれば、当然子どもたちが苦手なものもあると思います。例えばお魚は食べづらくて嫌いとか。そういった人気はないけど栄養価の高いものを食べてもらうための工夫はどうされているんですか?
[山田]
そうですね。魚でしたら切り身とかを使うのですけれども、子どもたちの好きな味つけにしたり、カルシウムを取れるよう骨まで食べられるシシャモなどを出したりしていますね。
[塩山]
魚を出すときに学校で校内放送をしてもらいます。「魚には骨があるので気をつけましょう」みたいな形で。そういうのもやはり勉強していただきたいという部分もありますし、お皿ひとつにしてもプラスチックではなく強化磁器を使っていて、「割れ」も体感していただければと思っています。
[杉村]
まさに食育ですね。素晴らしいです。
[山田]
ただ強化磁器は少し重いんです。1クラス分ってなると、低学年だと2人で持たなきゃいけなくなります。それでも、「お皿は大切に使わないと割れるんだ」ということも学んでもらえると嬉しいなと思います。
この春からの新1年生に向けて
[塩山]
4月になって、やはり学校生活が楽しみになると思うんですけど、その一つとして給食時間を楽しんでいただけるように私たちも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。
[山田]
ちょうどここの前を小学生が通って帰るんです。今年の1年生には「給食ありがとうございました!」って大きな声でこっちに向かってお礼をいってくれる子とかもいて、すごく嬉しかったです。これからも、安全で美味しい給食を頑張ってみんなで作っていきますので、給食を好きになってください。そして、すくすくと大きく育っていってくださいね!
[杉村]
ありがとうございました。