1. 教えて歯の先生!赤ちゃんのお口のケアってどうすれば?

教えて歯の先生!赤ちゃんのお口のケアってどうすれば?

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2018年10月15日    医療法人優心会 こいし歯科

赤ちゃんのお口に小さな白い乳歯を見つけたら、喜びもひとしお!嬉しさを感じる一方で「ところで、子どもの歯のケアってどうすれば……?」とお悩みのかたはいませんか。まだ自分で歯の手入れができない幼い子どものために知っておきたい歯の知識について、小児歯科に力を入れていらっしゃる「まちの歯医者さん」、こいし歯科の母親教室「お口育て教室」を取材するとともに、小石剛先生にお話いただきました。

教えて歯の先生!赤ちゃんのお口のケアってどうすれば?

小石 剛(こいし・ごう)先生

歯科医師 /医療法人優心会 こいし歯科 院長、池田市歯科医師会 公衆衛生部員、呉服保育園 園医

1978年生まれ。鶴見大学 歯学部卒、岡山大学院 小児歯科卒。こいし歯科を祖父・父から継ぎ3代目院長に。自分や家族が健康な歯でいるためにどんな生活をするといいかを考える「一次予防」の視点から歯科医療に取り組んでいる。小さい頃にボーイスカウトで地域の大人にあたたかく見守られた経験がベースにあり、自分自身も子どもの心に寄りそう歯科医師でありたいと願っている。世代を超えて触れあう地域づくりを願って落語会や地域清掃も開催。1児のパパで、息子と一緒に遊ぶことが一番のリフレッシュ方法。

歯みがきがバッチリじゃなくても大丈夫!お砂糖の取りすぎには気をつけて

こんにちは、こいし歯科の小石剛です。診療でパパ・ママから、子どもの歯についてのご質問をよくお受けします。なかでも特に多いのは「虫歯にしたくないけれど、歯磨きってどうすれば?」というご質問です。小さい子の歯みがきについて結論を言うと、実は、子どもが3歳くらいまでは歯みがきをあまり気にしなくても大丈夫なんです。虫歯は、ジュースやスポーツドリンク(液糖といいます)をずっと飲んでいる子に多くて、歯に付いている虫歯菌に砂糖のご飯をあげてしまっているので、虫歯菌が虫歯を作ってしまうんですね。ジュースやおやつなどから糖分を取らなければ、歯みがきがうまくいかなくったって虫歯にはなりません。

とはいっても、歯みがきは「健康を自分自身に保とう」とする行動(保健行動といいます)なので、ぜひ慣れてほしいですよね。歯が生え始めたら仕上げみがきを始めましょう。子どもを仰向けに寝かせてあごを支えて口を空けます。歯医者さんでの診療と同じような格好ですね。泣いちゃうんですが、ここで諦めずにひと工夫してみましょう。子どものほっぺたの内側に優しく指を入れて、口内が良く見えるようにほっぺたをよく伸ばします。そして「1、2、3」と3秒間だけ優しく歯みがきして、3秒数えたら歯ブラシを口から出します。そしてまた「1、2、3」と3秒みがいて歯ブラシを出す、を繰り返します。すると子どもは、みがかれるタイミングが分かるので息継ぎがしやすくなり、緊張もほぐれて次第に歯磨きに慣れていきます。こんなふうに、声かけに工夫をしてみるのがオススメですよ。

3歳までに歯医者に行った子どもは虫歯が少ない

教えて歯の先生!赤ちゃんのお口のケアってどうすれば?

「いつから歯医者へ行けばいい?」「歯並びが心配で」というご質問もよくいただきます。お家での歯みがきが「やっぱりうまくいかない……」と心配になったり、歯やお口のことで気になることがあれば、月齢や年齢を気になさらず、困ったその時に小児歯科にご来院ください。パパやママに安心してもらえるように、僕らも歯の専門家として適切なアドバイスをお伝えしていきます。できれば、初めての歯医者さんは3歳までに受診してもらいたいな、と思います。3歳までに歯医者で診てもらった子は虫歯が少ないことが研究によって分かっていて、実際、3歳までにこいし歯科を受診した子の多くが虫歯なしで育っています。

「フッ素は塗ったほうがいい?」というご質問も。フッ素は歯の防御力を高めて虫歯になるのを予防するためのものなので、「ぜひ塗ってください!」とお答えしています。生えはじめから小学校6年生くらいまでは、フッ素塗布を定期的にするといいですね。塗布のために継続して歯医者に通うことで、子どもは病院に慣れていきます。「来てエライね!」「上手に診てもらえたね」とスタッフみんなで褒めると、子どもは「歯医者さんは褒めてくれる」と嬉しくなり、虫歯など何か歯にトラブルが起こった時も怖がらず、すっと歯医者に来て治療を受けられるようになりますよ。

お口を育てるポイントは3つ「食・呼吸・姿勢」

教えて歯の先生!赤ちゃんのお口のケアってどうすれば?

子どもたちのお口の機能(食、呼吸、発音、表情など)の発達がうまくいかなくて、歯並びが悪くなってしまう子が最近は多いですね。子どもが小さなころからできる、お口の機能をうまく育てるポイントを3つご紹介したいと思います。

1つめのポイントは「食」について。離乳食完了期以降は、毎日リズムよく「朝・昼・晩」と食べることが大切なんです。実は、僕の息子は結構偏食だったんです(泣)。それが、保育園に行くようになって偏食がなくなりました。登園前に朝ご飯を食べて、保育園で体を動かしてお昼に給食を食べ、夕方に家に帰ってきて晩ごはんを食べる。日々のリズムで、お腹の減りと、食べることの意欲を作る大切さを目の当たりにしました(笑)。

2つめのポイントは「呼吸」。子どものお口がぽか~んと空けっぱなしになっていませんか?お口が空いた口呼吸をしていると、口内が乾燥しやすくなってしまい、口臭や歯周病の原因になります。お口を閉じて鼻から呼吸をすると口臭が改善され、さらに、舌の位置が安定することで良い歯並びの形成につながります。もしお口が空いていたら、指先でそっとくちびるを閉じて、鼻からの呼吸を促してあげてみてください。

3つめのポイントは「姿勢」です。抱っこ紐を使った時に、子どもの首が後ろにぐりんと反っていませんか?ぜひ鏡を見て、子どもの身体に無理な負担がかかっていないかどうかチェックしてあげてください。首や腰が座った子なら、ごはんの時に足の裏が床(や椅子の足置き)にしっかり着いているかどうかを見てあげるのがいいですね。腰や背中がねじれないよう、落ち着いた良い姿勢を保てるようにサポートしてあげてください。

「食」と「呼吸」と「姿勢」の3つは密接に連動しています。困った時や聞いてみたいことがある時は、どうぞ迷わずお近くの小児歯科医を頼ってください。子どもにお口の健康をプレゼントできたら、こんな嬉しいことはありません。

子どもが大人になった時に、自分で歯医者に通えるようになってほしい

教えて歯の先生!赤ちゃんのお口のケアってどうすれば?

僕は、今小さな子が大人になって「何か調子が悪いな」と思った時に、自分で病院に行って相談できるようになってほしいな、と思っています。子どもたちが自分の身体について関心を持って、健やかに生きる尊さを知って、健康的に自立していってくれることを心から願っています。
赤ちゃんや子どもを専門に診療する小児歯科では、パパやママ、子どもに安心して治療を受けてもらえるように、コミュニケーションを大切にしています。もし今「歯医者さんは嫌だ!」と怖がっている子がいたら、それも含めてお近くの小児歯科に相談してもらえたらと思います。子どもたちが健やかに成長し、家族みんなが健康で笑顔でいられることを、僕は一番に願っています。

「歯医者さんは子育てを応援するメンバーの一員」とおっしゃる小石先生。こんなあたたかいまなざしで、子どもやママ・パパを思ってくれる歯医者さんがいるなんて!と感動してしまうほど、子育て中の家族に寄り添ったお話しをしてくださいました。家族みんなの健康のため、これを期にお近くの歯医者さんへ行ってみませんか。小石先生、ありがとうございました。

場所

大阪府池田市栄本町9−2−A

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